鋭く突き刺さる歌声と圧倒的な表現力で、音楽シーンに旋風を巻き起こすアーティスト「Ado」。デビュー曲「うっせぇわ」で一躍その名を轟かせ、鋭い言葉選びとエモーショナルなボーカルが、若者を中心に圧倒的な支持を集めています。ボカロ文化の影響を色濃く受け継ぎながらも、J-POP、ロック、エレクトロなど多彩なジャンルを自在に行き来する音楽性は、従来の枠組みを鮮やかに打ち破ります。顔を出さないというスタイルも含めて、その存在自体がミステリアスで挑発的。内に秘めた激しさと繊細さを同時に爆発させるAdoは、まさに現代の音楽シーンを象徴する“声”として、新たな時代を切り拓いています。
この記事では、Adoの人気曲を10個に絞って紹介します。編集部がおすすめする楽曲も併せて紹介しますので、Adoに興味がある方はぜひ参考にしてください！
Adoの人気曲10選
メジャーデビュー曲「うっせぇわ」で衝撃的な存在感を放ち、一躍時代の象徴となったアーティスト「Ado」。彼女の音楽は、怒りや葛藤、孤独といった複雑な感情を、鋭くも繊細なボーカルで表現することに長けており、聴く者の心に強く訴えかけます。時に鋭く、時に切なく揺れ動くその歌声は、まるで感情そのものが音になったかのよう。10代でデビューを果たしながらも、卓越した歌唱力と自己表現の深さで、若年層から大人まで幅広い層を魅了しています。
ライブでは、アニメーションや映像演出を駆使しながら、直接的な姿を見せない独自のスタイルで観客を圧倒。音とビジュアルが融合したステージは、ひとつのアート作品のように緻密に構成され、観る者の感覚を研ぎ澄まさせます。Adoの楽曲は、ただ耳に残るだけでなく、聴く人自身の感情や経験と深く結びつき、内面を見つめ直すきっかけを与えてくれます。その革新的な表現力と、等身大の心情に寄り添う姿勢が、多くの共感と支持を集め続ける理由です。
【プロフィール】
・2002年生まれの女性アーティスト
・感情の起伏を巧みに表現するボーカルと、鋭い言葉選びが特徴
・顔出しをしない活動スタイルと、映像を活かしたライブ演出が話題
【活動歴】
・2020年、「うっせぇわ」でメジャーデビューし社会現象的ヒットを記録
・2022年、1stアルバム『狂言』をリリースし、各チャートで上位を獲得
・映画やアニメの主題歌も多数担当し、表現の幅を広げ続けている
・2024年には女性ソロアーティスト史上初となる国立競技場でのワンマンライブを成功させ、ライブアーティストとしての評価も確立
※参考サイト
・Apple Music
・Spotify
・YouTube Music
・JOYSOUND
1. うっせぇわ
「うっせぇわ」は、2020年にリリースされたAdoのメジャーデビュー曲であり、彼女の名前を一躍全国に知らしめた代表曲です。怒りや不満を鋭くえぐる歌詞と、エネルギーに満ちた圧巻のボーカルが多くのリスナーの心を揺さぶり、瞬く間に社会現象的なヒットを記録しました。特に若年層を中心に「自分の気持ちを代弁してくれた」と共感を呼び、ストリーミングチャートやYouTubeでも驚異的な再生数を記録しています。
イントロから炸裂するインダストリアルなサウンドと、激しい言葉が次々に飛び出す歌詞の応酬。そして、Adoの凄まじい声のコントロールと感情表現によって、楽曲は単なる「反抗歌」にとどまらず、一つの感情のドラマとして成立しています。現代社会に対する違和感や、若者ならではの閉塞感を鋭く切り取ったその世界観は、聴く者に強烈なインパクトを残します。
「うっせぇわ」は、Adoの才能と表現力の高さを世に示すと同時に、新しい時代の音楽の在り方を提示した象徴的な一曲であり、今なお色あせることなく多くの人々の心に刻まれ続けています。
2. 唱
「唱」は、2023年にリリースされたAdoの楽曲で、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのハロウィーンイベント「ハロウィーン・ホラー・ナイト」の公式テーマソングとして制作されました。Adoならではの圧倒的なボーカル表現と、ダークで妖艶な世界観が融合したこの楽曲は、聴く者を一気に非日常の異界へと引き込みます。
重厚なビートと中毒性の高いメロディが絡み合う中、Adoの歌声は不気味さと高揚感を同時に演出。低音から高音まで自在に操るボーカルパフォーマンスはまさに圧巻で、言葉のひとつひとつに命が宿っているかのようです。まるで聴く人に呪文をかけるような力強さと支配力を感じさせます。「唱」は、Adoの表現力の幅広さと、エンターテインメント性を極限まで高めた挑戦的な一曲であり、彼女の新たな魅力を引き出した作品と言えるでしょう。
3. 私は最強
「私は最強」は、2022年に公開された映画「ONE PIECE FILM RED」の劇中歌として、Adoが歌姫ウタとして登場し歌唱を担当した楽曲です。この曲は、ウタのキャラクター性を象徴するような力強さと感情の爆発を表現しており、映画の中での重要なシーンを彩っています。
壮大でエネルギッシュなサウンドに、Adoの圧倒的な歌唱力が重なり合うこの楽曲は、単なる映画のテーマソングにとどまらず、自己肯定と力強い意志を宣言するメッセージが多くのリスナーに共感を呼び起こします。歌詞は、ウタが抱える内面的な葛藤と、最終的には自分自身を強く信じる決意を描いており、その感情がAdoのダイナミックな歌声を通して伝わります。
4. ギラギラ
「ギラギラ」は、2021年にリリースされたAdoのシングル曲で、彼女の音楽的なエネルギーと挑戦的な表現が際立つ一曲です。激しいビートと鋭いメロディが特徴で、Adoの圧倒的な歌唱力と感情を爆発させるパフォーマンスが、聴く者に強烈なインパクトを与えます。歌詞には抑えきれない欲望や衝動を解放するテーマが描かれており、Adoらしい激しさとエモーショナルな要素が見事に融合しています。
イントロから炸裂するサウンドと、次々に放たれる鋭いフレーズが、楽曲全体を通して圧倒的なエネルギーを感じさせます。Adoの力強いボーカルは、ただのエネルギッシュな曲にとどまらず、心の奥底から湧き上がる感情を表現しきった強力なメッセージとなっています。この楽曲は、Adoのアーティストとしての幅広い表現力を証明するものであり、彼女の音楽的な成長を感じさせる作品です。
5. 新時代
「新時代」は、2022年にリリースされたAdoのシングルで、彼女の音楽的な進化を象徴する楽曲です。この曲は、映画「ONE PIECE FILM RED」の主題歌として制作され、Adoが演じるウタのキャラクターにぴったりと寄り添った力強いメッセージを込めた一曲となっています。
ダイナミックで力強いビートと、Adoの感情を込めた歌声が融合したこの楽曲は、過去と未来をつなぐ「新しい時代」の幕開けを告げるかのようなエネルギーに満ちています。歌詞は、自分を信じ、新しい世界を切り開いていく決意と希望を描き、ウタの心情とAdo自身の力強いメッセージが見事にリンクしています。
「新時代」は、映画のストーリーを彩るだけでなく、Adoの音楽的な幅を広げる重要な一歩ともなりました。その躍動感あふれるサウンドと力強いメッセージは、聴く者を前向きな気持ちにさせ、映画を観る前後で一層深い感動を呼び起こします。シングルとしてリリースされ、映画公開とともに大ヒットを記録し、Adoのアーティストとしての存在感を一層際立たせる作品となりました。
6. 逆光
「逆光」は、2022年に公開された映画「ONE PIECE FILM RED」の劇中歌としてリリースされたAdoのシングルです。この楽曲は、映画の主要キャラクターであるウタの心情を表現した歌詞と、Adoの力強く感情豊かなボーカルが印象的で、映画の世界観と見事にシンクロしています。
歌詞は、絶望の中で光を求める心情や、逆境を乗り越えようとする強い意志が描かれており、ウタの内面の葛藤と希望を巧みに表現しています。そのメッセージ性は映画のストーリーにも強く影響を与え、ウタというキャラクターを音楽的に深く掘り下げる重要な役割を果たしています。Adoの歌声は、激しさと繊細さを行き来し、映画の感情的な盛り上がりをさらに引き立てています。
7. ウタカタララバイ
「ウタカタララバイ」は、映画「ONE PIECE FILM RED」の劇中歌であり、Adoが演じるキャラクター・ウタが歌うラップ調の楽曲です。この曲は、ウタのキャラクターの強い意志と内面の葛藤を表現するために、リズミカルでエネルギッシュなラップスタイルが特徴となっています。
歌詞は、ウタが自身の心の中で抱える複雑な感情や、彼女の希望や夢に対する強い想いが反映されており、ラップのリズムに乗せて一気に展開します。激しいラップとAdoの圧倒的な歌唱力が融合し、聴く者に強いエネルギーを与える一曲です。また、ウタが抱える孤独や痛みをラップで表現することで、彼女のキャラクターの深さとリアルさが伝わり、映画のストーリーに感情的な厚みを加えています。
8. 踊
「踊」は、Adoが2021年にリリースしたシングルで、彼女のユニークで力強い音楽スタイルを象徴する一曲です。この楽曲は、エネルギッシュで躍動感あふれるサウンドに、Adoならではの感情豊かなボーカルが重なり、聴く者を自然に引き込む力を持っています。
「踊」の歌詞は、自由と解放、自己表現の重要性をテーマにしています。楽曲は、そのタイトル通り、躍動感のあるリズムと共に、まさに「踊りたくなる」ような感覚を呼び起こします。アップテンポでリズム感のあるビートが特徴的で、聴いていると自然に体が動き出してしまうような魅力を持っています。
Adoの歌声は、力強さと切なさを巧みに使い分けて、楽曲に感情の深さを加えています。アップビートなサウンドに乗せて、自己肯定感や前向きなメッセージが伝わってくるこの曲は、聴くたびにエネルギーを与えてくれる一曲です。
9. 阿修羅ちゃん
「阿修羅ちゃん」は、2021年にリリースされたAdoのシングルで、テレビ朝日系木曜ドラマ「ドクターX～外科医・大門未知子～」第7シリーズの主題歌として起用されたタイアップ楽曲です。Adoの持つエッジの効いた個性と、作品の主人公・大門未知子の孤高で型破りなキャラクター像が見事に重なり、強烈な印象を残す一曲となっています。
楽曲は、アップテンポで疾走感のあるロックサウンドを基調としながら、Ado特有の緻密でドラマチックなボーカルが展開されていきます。歌詞では、多面的な感情や複雑な人間模様が“阿修羅”というモチーフで描かれており、どこか狂気すら感じさせるエネルギーと、鋭い自己表現が込められています。
10. エルフ
「エルフ」は、Adoが2025年にリリースしたシングルで、彼女の音楽的な多様性と表現力を象徴する一曲です。この楽曲は、幻想的で神秘的な雰囲気を持ち、Adoの歌声と相まって、聴く者を異世界へと誘います。
「エルフ」の歌詞は、北欧神話に登場するエルフの存在をテーマにしており、光と闇、善と悪といった対極的な要素が織り交ぜられています。エルフは、長い耳と美しい容姿を持つ妖精であり、自然の精霊として知られています。歌詞では、彼らの神秘的な世界観や、時に人間と交わることのある彼らの姿が描かれています。
楽曲は、幻想的なメロディとリズムが特徴で、Adoの歌声がその世界観を一層引き立てています。彼女の力強いボーカルと繊細な表現力が融合し、聴く者に深い印象を与えます。
Adoの編集部おすすめ曲3選
Adoの人気曲を10個に絞って紹介しました。ここでは、惜しくもTOP10に入らなかった曲の中から、生粋のアーティストファンが多い編集部がおすすめする楽曲を3曲紹介します。
1. クラクラ
「クラクラ」は、2023年にリリースされたAdoのシングルで、TVアニメ「SPY×FAMILY」Season 2のオープニング主題歌として起用されました 。作詞・作曲はmeiyo、編曲・演奏は菅野よう子 × SEATBELTSが担当し、Adoのボーカルが縦横無尽に駆け巡るジェットコースターのような楽曲に仕上がっています 。
楽曲は、アニメの世界観に合わせたサウンドとAdoの個性的な歌声が融合し、視聴者を魅了しています。ミュージックビデオでは、制服姿の少女が不安な気持ちを抱えながらも前向きに進んでいく様子が描かれ、Adoの歌声と相まって感情豊かな映像美が展開されています 。
2. レディメイド
「レディメイド」は、Adoが2020年にリリースしたシングルで、彼女の音楽的な幅広さと独自の世界観を象徴する一曲です。作詞・作曲・編曲を手掛けるのは、ボカロPのすりぃであり、彼の特徴的なサウンドが色濃く反映されています。
この楽曲は、Adoの力強くも繊細なボーカルと、すりぃの作り出す独特なメロディが融合し、聴く者を引き込む魅力を持っています。歌詞は、現代社会における「型にはまった生き方」への疑問や、自由を求める気持ちが表現されており、Ado自身の内面を反映した内容となっています。
また、同日に公開されたミュージックビデオは、野球をモチーフにした独特な世界観が描かれており、Adoの歌声と相まって視覚的にも楽しませてくれます。
3. 行方知れず
「行方知れず」は、2022年にリリースされたAdoのシングルで、映画「カラダ探し」の主題歌として起用されました。この楽曲は、Adoと椎名林檎の初のコラボレーション作品であり、椎名林檎が作詞・作曲・編曲を手掛け、Adoの歌唱が加わることで、独特の世界観と迫力を持った楽曲に仕上がっています。
楽曲は、映画のテーマである「死のループ」と「カラダ探し」を反映し、ネット社会や現代の若者の心情を鋭く描いています。歌詞では、情報過多や自己解釈、暴露といった現代の問題を取り上げ、Adoの力強いボーカルと椎名林檎の緻密な音楽性が融合しています。
ミュージックビデオは、絵師のsakiyamaが手掛け、ネット社会を題材にしたビジュアルが展開されています。主人公が様々な敵に立ち向かう姿が描かれ、楽曲のテーマとリンクした映像美が印象的です。
まとめ
Adoの音楽は、圧倒的な表現力と多彩なジャンルを自在に操る革新性で、現代の音楽シーンに強烈な存在感を放っています。彼女の楽曲は、感情の起伏を繊細かつ大胆に描き出し、聴く者の心の奥深くに強く響くメッセージを届けてくれます。尖ったサウンド、鋭い歌詞、そして唯一無二のボーカルパフォーマンスが三位一体となり、リスナーに深い没入感を与えています。
「うっせぇわ」「私は最強」「新時代」などの代表曲では、自己表現の自由や社会への違和感、夢や信念を貫く力強さが色濃く表現されています。それぞれの楽曲は、時に怒りや反骨精神を、時に繊細で内省的な心情を描き出し、Adoというアーティストの多面性を浮き彫りにしています。アニメや映画、ドラマといったさまざまなタイアップを通じて、彼女の音楽はより多くのリスナーに届き、多様な文脈の中で新たな意味を持って響いています。
Adoの音楽は、迷いや葛藤を抱えながらも前に進もうとする現代のリスナーにとって、共感と勇気を与えてくれる存在です。その鮮烈な歌声と揺るぎないスタンスは、今後も多くの人々の心に響き続け、進化を続ける音楽シーンの中で確かな軌跡を残していくことでしょう。
