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【クラシック音楽を聴くとどんな効果がある?】クラシック音楽の解説とおすすめの曲をご紹介

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【クラシック音楽を聴くとどんな効果がある?】クラシック音楽の解説とおすすめの曲をご紹介

クラシック音楽を聴くとどんな効果があるのかご存知ですか?

クラシック音楽は脳や心にいい影響を与えることが科学的に証明されています。

テレビ番組や映画のBGMなどでよく使われているので、普段から意識してクラシック音楽を聴いていなくても、生活の身近なところに存在しています。

今回はクラシック音楽とはどういう音楽なのか、どんな効果があるのかを解説していきます。リラックスできるおすすめの曲もぜひチェックしてください。

クラシック音楽とは?

「クラシック」とは「古典的」という意味で、クラシック音楽は一般的に19世紀初頭までの西洋音楽全体を指します。

6世紀から15世紀頃の音楽を中世西洋音楽、15世紀から16世紀頃の音楽をルネサンス音楽と呼びます。8世紀から9世紀頃に教会の聖歌として歌われていたグレゴリオ聖歌がクラシック音楽の始まりといわれています。単音のメロディの歌から始まり、だんだんとハーモニーを奏でるようになりました。

16世紀末からのバロック時代には、現代のクラシック音楽の中心となる楽器が発展します。

バロック時代にはヘンデルやバッハが活躍しました。一般によく聴かれるクラシック音楽は、バロック時代以降のものです。

バロック時代の次の古典派時代はハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンが活躍。「お上品なクラシック」をイメージさせます。

次のロマン派時代になると、それまで教会や宮廷、貴族向けだった音楽が一般家庭にも広がります。音楽がより身近なものになっていきました。ロマン派時代の音楽は、自由に自己表現する音楽が発展しています。ショパン、リスト、メンデルスゾーンが有名な音楽家です。

20世紀初頭からの近代音楽時代には、さらに自由な形態へと変化していきました。モネやルノワールで知られる美術における印象主義に、音楽も影響を受けています。

このように、クラシック音楽は教会で神を讃える歌から発展し、作曲家の作る1つの作品として一般に広まりました。クラシック音楽は現在でも人々に親しまれ、必要とされている音楽です。

クラシック音楽がもたらす効果

音楽を聴くこと、特にクラシック音楽を聴くことはさまざまな効果があることが科学的に実証されています。クラシック音楽が脳や心に与える影響は大きいです。具体的な効果をご紹介していきます。

α波によるリラックス効果が得られる

α波とは、人間がリラックスしているときや目を閉じているときに多く発生する脳波です。

クラシック音楽を聴くことで脳波をα波へ導き、リラックス効果が得られます。

α波は「1/fゆらぎ」という周波数の物理現象から生まれます。「1/fゆらぎ」とはろうそくの炎の揺らめきや小鳥のさえずり、小川のせせらぎなど多くの現象にみられます。自然界のこのような現象が心地いいと感じる人は多いのではないでしょうか。クラシック音楽はこのゆらぎを多くもっているため、α波が誘発されて癒し効果が得られるのです。

「1/fゆらぎ」は規則性と不規則性がほどよく調和する状態です。クラシック音楽は「規則的な音」と「予測できない音」が適度にミックスされているのですね。

α波が発生しているとβ−エンドルフィンという物質が分泌され、「ストレスを減少させる」「幸福感を感じさせる」という効果をもたらします。クラシック音楽の中でもモーツァルトやバッハの音楽はα波が出やすいといわれています。

自律神経のバランスを整える

クラシック音楽は論理的に組み立てられてつくられているという特徴があります。

ソナタ、ロンド、変奏曲と呼ばれる音楽の形式は論理的な構造をもつものが多いです。たとえばソナタ形式が提示部、展開部、再現部から成り立っているように、音楽にはしっかりとした構造の土台があります。そこに作曲家の天才的なひらめきが組み合わさって音楽がつくられているのです。

この論理的な構造力は脳を適度に刺激し、セロトニンやアセチルコリンという神経伝達物質の分泌を促します。セロトニンは心を落ち着かせて安心感を与え、自信を持たせるという効果があります。アセチルコリンはイライラした気持ちをしずめる働きがあります。

これによって乱れがちな自律神経のバランスを整えることができ、心身ともに健やかな状態を保てるのです。

集中力を高めてやる気をアップさせる

クラシック音楽は脳にある「A10神経」を刺激しやすいといわれています。

A10神経は脳の視床下部から前頭前野までつながっている神経で、A10神経が刺激されるとドーパミンが分泌されます。

ドーパミンが分泌されると心地よさや幸福感が高まり、気分が高揚してやる気と集中力アップにつながります。勉強や仕事など、集中したいときにはクラシック音楽を聴くのが効果的ですね。

男性と女性の脳の構造が少し違うことから、脳に影響を与えるクラシック音楽のタイプも異なります。仕事や勉強に集中したいときに、より脳が刺激をうけてやる気スイッチを入れられる音楽のタイプをご紹介します。

男性の集中力アップにつながる音楽

男性は数多くのメロディを同時にとらえることができるといわれています。そのため、多くの楽器が重なり合って演奏される交響曲を聴くのがおすすめです。脳が適度に刺激されて、やる気を出す役割があるドーパミンが放出されます。

女性の集中力アップにつながる音楽

女性の脳は、単体の楽器が奏でる音に反応する性質をもっています。複数の旋律が走る曲よりは、シンプルに1つの旋律を追えるタイプの曲がおすすめです。

ピアノソナタやヴァイオリンソナタの、表情豊かなメロディの楽曲を聴いてみてください。自分の気持ちを乗せやすい曲がより効果的です。

睡眠の質が上がる

寝る前にクラシック音楽を聴くと良質な睡眠につながります。

人間は活発に活動しているときは交感神経が優位になり、落ち着くときは副交感神経が優位になります。

クラシック音楽を聴くと副交感神経が強くはたらいてリラックス効果が得られ、快適な睡眠へと導いてくれます。

心地いい眠りに入るためにはバッハの「主よ、人の望みの喜びよ」や、マスカーニの「歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』間奏曲」のように、音量が一定で悲しすぎず楽しすぎない音楽を聴くのがポイントです。

身体の不調をやわらげる

はるか昔から、音楽は人の心を癒し心身の健康を取り戻す役目をになってきました。「音楽は副作用のない薬のようなもの」という脳科学者もいます。

音楽療法についての研究も進められており、さまざまな科学的証明により、音楽にヒーリング効果があることがわかってきています。

クラシック音楽は音楽療法のひとつとして、不眠症の緩和やストレス病予防、認知症の改善、胎教などに役立てられています。イライラした気持ちや落ち込んだ心を癒したり、免疫力が上がったりする効果もあります。

特にモーツァルトの音楽は精神的なセラピー効果が高いといわれています。自律神経系に働きかけるモーツァルトの曲はリラックス効果を得られるだけでなく、血圧や心拍の安定、血流の改善、体温上昇による免疫力向上にも有効です。

おすすめのクラシック音楽

ヨハン・セバスティアン・バッハ「G線上のアリア」

おだやかで美しいメロディが心を落ち着かせてくれます。どこか切ないような気持ちにもなりますよ。

卒業式や結婚式で流れていることもあり、聴いたことがある方も多いと思います。

パッヘルベル「カノン」

美しい旋律が掛け合うように重なり合っていく技法は、心を落ち着かせてくれる不思議な力をもっています。うっとりといつまでも聴いていられる曲です。

メロディも記憶に残りやすく、誰もが気軽に口ずさむことができる、親しみやすい旋律です。

ヴィヴァルディ「四季」

ヴィヴァルディの生まれ育ったイタリアのヴェネツィアの四季をイメージしてつくられています。「春」「夏」「秋」「冬」の4曲のヴァイオリン協奏曲です。「春」はとくに有名でメロディを聴いたことがある方もいると思います。

「冬」の第2楽章の「ラルゴ」は、脳を休ませてリラックスしたいときにおすすめです。美しい旋律に浸ることで、心のやすらぎと癒しを感じてください。

クロード・ドビュッシー「月の光」

ドビュッシーの作品の中で最も愛されているピアノ曲。神秘的な雰囲気が魅力です。

際立ったメロディよりも心地いい響きや雰囲気が特徴的で、映画音楽やテレビCMでもよく使われています。

サン・サーンス「白鳥」

全14曲からなる組曲「動物の謝肉祭」の中の1曲です。チェロが奏でる美しくあたたかい響きが、心地いい眠りへ導いてくれます。

副交感神経を高める効果がありリラックスできて、頭痛を抑えられる曲ともいわれています。

まとめ

クラシック音楽にはリラックス効果だけでなく、集中力のアップや身体の調子を整える効果もあり、心と身体に大きく影響することがわかりました。

今はスマホさえあればどこでも音楽を聴くことができます。忙しい毎日の中に少しでも音楽を聴く時間を取り入れて、心が癒されるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

私も疲れたときやリラックスしたいとき、お気に入りの曲を聴いて気持ちを落ち着かせています。

クラシック音楽を聴いて、心と身体を健康に保てるといいですね。

【この記事を書いた人】

オーケストラ好きライター さち

「愛知県在住のWebライター。学生時代は吹奏楽部に所属し、7年間ホルンを演奏していました。現在、双子を育児中です。 心が洗われて優雅な気持ちになる、オーケストラの音楽の魅力を伝えたいです。」

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