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【オーケストラで使われる楽器は何?】楽器の特徴とステージ上の配置

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オーケストラの楽器が並んだ背景

「オーケストラで使われる楽器はどんなものだろう?」

「楽器の配置は決まっているの?」

オーケストラで使われる楽器について、このような疑問を持っていませんか?クラシック音楽を演奏するイメージが強いですが、どんなジャンルの音楽にも対応できるので、オーケストラは、想像以上に私たちの生活の身近なところに存在しています。

今回は、そんなオーケストラの音楽に欠かせない楽器をご紹介します。それぞれの楽器の特徴や音色、ステージ上での配置について解説するので、演奏会に行かれる際はぜひ参考にしてください。もっと親しみがわき、より一層音楽を楽しめますよ。

オーケストラの演奏曲をご紹介【ラデッキー行進曲】

はじめに、オーケストラの演奏曲を1曲ご紹介します。ヨハン・シュトラウス1世作曲の「ラデッキー行進曲」です。軽快なリズムで気持ちも軽やかになるメロディーは、思わず一緒に口ずさみたくなります。

ぜひこちらの演奏をお聴きください。吉田裕史さんが指揮をされている演奏です。

指揮者と演奏者だけでなく、観客も一体となって、音楽を楽しんでいるのがよくわかりますね。

これから、楽器の配置の仕方や、オーケストラで使われる楽器の特徴をご紹介します。それぞれの楽器が、どんな音を奏でているのかに注目して聴いてみるとおもしろいですよ。

オーケストラの楽器の配置

ステージ上での楽器の配置はだいたい決まっていて、主に下の図のようになっています。

指揮者の指示や、ステージの広さなど、状況によってこの配置は変わってきます。音の聴こえかたも楽器の配置によって変わってくるので、オーケストラの演奏会に行かれた際は、楽器がどう並んでいるかも見てみるとおもしろいですよ。

オーケストラで使われる楽器の種類

弦楽器

弦楽器とは、楽器に張ってある弦を振動させて音を出す楽器です。弦を弓でこすったり、指で弾いたりして演奏します。音の高さによって、高い順から、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの4つの楽器に分けられます。

ヴァイオリン

ヴァイオリンは、奏者の数が一番多く、オーケストラの中心といえる楽器です。速い動きや、音の強弱をつけることが得意です。また、一度に2つの音を鳴らせるなどなんでもこなすことができるので、メロディはもちろん、伴奏でも活躍します。

オーケストラでは、第一ヴァイオリンと第二ヴァイオリンの、2つのパートに分かれて演奏しています。第一ヴァイオリンの首席奏者は「コンサートマスター」と呼ばれる楽団のリーダー。演奏技術はもちろん、人望も厚いことが求められます。

ヴィオラ

ヴィオラは、ヴァイオリンよりもひとまわり大きくて重い楽器です。ヴァイオリンより少し低い音を奏でます。深みのある音色を響かせるヴィオラは、主に伴奏を担当します。音を細かく刻むのではなく、ゆったりと音を奏でるパートが多いです。

合唱でいうと、アルトやテノールの音域を演奏するヴィオラ。オーケストラの中ではあまり目立たないのですが、なくてはならない名脇役で、オーケストラの迫力ある音楽をつくるのに重要な役割を果たしています。

チェロ

チェロは1mを超える長さのある、中低音を担当する弦楽器です。奏者は椅子に座った状態で、楽器を床に垂直に立てて演奏します。チェロは客席から見てもとてもわかりやすい楽器ですね。

ソロやメロディを担当することもあれば、低音でオーケストラ全体を支えることもあり、幅広く活躍しています。

コントラバス

コントラバスは、弦楽器の中で一番低い音域を担当します。チェロよりさらに大きい楽器で、チェロの1オクターブ下の音を奏でています。

コントラバスの低音はオーケストラ全体を支え、重厚な響きを出すのに絶対に欠かせない楽器です。速いリズムは苦手で、低い音を長く伸ばす動きが得意です。

木管楽器

木管楽器は、本体が木で作られている楽器です。現在は金属でできている楽器も、昔は主に木で作られていたため、木管楽器に分類されています。

フルート

オーケストラの中で高音を担当するフルート。細かく速い動きが得意な楽器です。鳥の声にもたとえられる、透明感のある美しい音色で観客を魅了します。

フルートの仲間のピッコロも、オーケストラの音楽で登場することがあります。

オーボエ

「世界一難しい木管楽器」としてギネスブックに認定されているのがオーボエです。リードと呼ばれる薄い板を2枚合わせた、ダブルリードを振動させて音を出します。空気の通り道はたった4mmで、息があまって苦しい上に、音程を合わせるのが難しい楽器です。

ソロが多く、哀愁漂う音色はオーケストラの中でよく響きわたります。オーボエよりひとまわり大きいイングリッシュホルンは、オーボエより低い音を出し、オーケストラでよく使われます。

クラリネット

クラリネットは、木管楽器ならではの、木のあたたかみを感じられる音色が特徴です。1枚のリードを振動させて安定した音を出し、メロディーだけでなく伴奏もこなします。

深みのある低音から輝かしい高音まで出すことができ、音色も自在な表情豊かな楽器です。クラリネットの仲間で、低い音域を担当するバスクラリネットも、オーケストラによく登場します。

ファゴット

ファゴットは、木管楽器の中で一番低い音域の楽器です。オーボエと同じダブルリードの楽器で、楽器自体の長さは135cmもあり大きいです。

あたたかみのある音のほかに、とぼけたようなコミカルな音も出すことができる、愛らしい楽器です。目立つことは少ないですが、重々しい低音で大事な伴奏をこなす、オーケストラで重要な役割を担っています。ファゴットよりさらに低い音を担当する、コントラファゴットという楽器も、オーケストラで使われることがあります。

金管楽器

金属の管に息を入れ、唇をふるわせることで音が出る金管楽器。オーケストラの音楽を華やかに盛り上げます。

ホルン

かたつむりのような形をしているホルンは、「金管楽器の中で一番難しい楽器」とギネス認定されています。オーケストラの中では中間部の音域を担当。

古くからオーケストラに取り入れられていて、ハーモニーを奏でるのが得意です。弦楽器や木管楽器ともよく溶け合い、やわらかくてまろやかな音を出します。しかしその反面、大音量で力強い音を響かせることもあり、ホルンの多彩な音色はオーケストラの音楽に欠かせません。

トランペット

トランペットは、金管楽器の中で一番高い音域を担当します。華やかで、まっすぐ突き抜けるようなパワフルな音色が特徴的。トランペットの響きがオーケストラの音楽を一気に盛り上げます。

金管楽器の花形で、ソロで演奏する場面も多いです。

トロンボーン

トロンボーンは、長いスライドを動かして音の高さを調整する楽器です。トロンボーン奏者数名で、オーケストラ全体を支えるハーモニーを奏でるのが大得意。

オーケストラの中間部から低音域を担当します。小さい音から、大きく迫力のある音まで出せる、表情豊かな楽器です。

チューバ

金管楽器で一番大きな楽器のチューバは、オーケストラを低音で支える縁の下の力持ち。オーケストラでは1人で演奏することが多いですが、音量も大きいためしっかりと存在感があり、オーケストラでなくてはならない楽器です。

見た目の大きさからは想像しにくいですが、軽やかなスタッカートでリズムを刻むことが得意です。

打楽器

打楽器は、ものを打ったりこすったりして音を出す楽器です。オーケストラではさまざまな種類の楽器が使われ、1人でいくつかの楽器を演奏することもあります。

ティンパニ

オーケストラの中で一番多く使われる打楽器がティンパニです。胴でできた半球形の動体を4つほど奏者の周りに並べ、「マレット」と呼ばれる2本のバチでたたいて演奏します。

足元のペダルを操作して音程を調整できるので、リズムをきざむだけでなく、曲のハーモニーに溶け込んで演奏できることが特徴です。曲が盛り上がる場面での、ティンパニの迫力ある響きはかっこいいですよ。

シロフォン・マリンバ

シロフォンとマリンバは、どちらもいわゆる木琴です。シロフォンは高音域で、硬く歯切れのいい音色を奏でます。

マリンバはシロフォンよりも大きい楽器で、中低音域でやわらかく深みのある音が特徴。両手に持ったバチを巧みに動かして演奏する姿は圧巻です。

スネアドラム

スネアドラムは小太鼓とも呼ばれ、明るく歯切れのいい音を響かせます。

オーケストラのリズムの土台を担う打楽器で、奏者には、正確にリズムを刻む技術が求められます。

編入楽器

演奏する曲目によって、必要な時のみ登場する楽器が編入楽器です。その楽器にしか出せない音色や特徴があるので、いくつかご紹介します。

サクソフォン

サクソフォンは、金色なので金管楽器と間違われやすいのですが、木管楽器に分類されます。歴史が浅い楽器なので、以前から存在していたオーケストラには配置されなかったといわれています。

クラリネットと同じシングルリードの楽器で、音の高さをわずかに揺らして演奏する「ビブラート」が大得意。オーケストラだけでなく、幅広いジャンルで親しまれている楽器です。

ハープ

ハープは、指で弦を弾いて音を出します。47本もの弦が張ってあり、足元にある7つのペダルを操作して音を切り替えます。

優雅な見た目と美しい音色とは対照的に、足元は忙しいといわれるハープ。オーケストラでは主に伴奏を担当し、曲を華やかにいろどります。

ピアノ

鍵盤楽器もオーケストラで使われることがあり、ピアノの他に、オルガンやチェンバロも登場することがあります。

ピアノは音域がとても広く、音量のコントロールが自在。表現力の高い楽器です。

まとめ

今回は、オーケストラで使われる楽器をご紹介しました。

それぞれの楽器に魅力があり、オーケストラの音楽で楽器の個性が存分に発揮されているんですね。あまり目立たない楽器も、オーケストラの壮大なサウンドを作りあげるのになくてはならない存在です。これからオーケストラの音楽を聴かれる際は、ぜひそれぞれの楽器の音色をよく聴いてみてください。楽器の特徴を知ったうえで聴いてみると、今までとちがった発見があり、オーケストラの音楽をより堪能できます。

演奏される曲目によって登場する編入楽器や、めずらしい打楽器を見つけられることがあるので、実際にコンサート会場でオーケストラの音楽を聴くのがおすすめです。指揮者や楽団によって楽器の配置が変わることもあるので、その違いを楽しむのもおもしろいですよ。

私たちの身近にある、無限の表現力を持つオーケストラの音楽を、ぜひ楽しんでください。

【この記事を書いた人】

「愛知県在住のWebライター。学生時代は吹奏楽部に所属し、7年間ホルンを演奏していました。現在、双子を育児中です。 心が洗われて優雅な気持ちになる、オーケストラの音楽の魅力を伝えたいです。」

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